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== お出かけ ==

宵待草の夢。

その昔、井の頭公園駅の前にひっそりと存在していた喫茶店、宵待草。

初めて訪れたのは18歳の時。
繊細さと自意識の狭間で常に揺れ動く少女時代に出逢ったこのお店は、そんな私をそっと受け入れてくれる特別な場所でした。

このお店で出逢った作品や世界や人は今でも私の中で大きな存在。
後に惹かれた作家さんたちも、皆さんこの宵待草のサロン出身であったり、店子として働いていた方だったり何らかの形で宵待草に関わっていた方が多いのです。

沢山の人々の間でひっそりと、そして深く愛されていたこの場所が閉店して早9年。

思い入れが深すぎてしばらく井の頭公園駅に行くことすら出来ないくらいだったのですが、なんとこの10月の間だけ限定復活するとのお知らせが入り、胸が苦しくなるような気持ちで心待ちにしておりました。

そしてついに今日、幻の場所へ。

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ああ、小澤清人さんのこの大正浪漫な看板を見るだけで、少女時代にタイムスリップした気持ち。

生きている日々と、自分の心とのすれ違いに違和感を感じながらも、どうすることも出来ずただ苛立ち、諦め、物語の世界に没頭したり歌うことで誤魔化していたあの頃の私が、この看板を見上げて救われたような気持ちになったこと、今でも鮮明に思い出します。


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初めて訪れた13年前と何も変わらない空気。
白い壁に緑のキッチンカウンター、フランソワーズ・アルディのささやくようなけだる気な歌声が流れて、至るところに飾られたお花たちが、公園からの風に揺れていて…

この蘇った宵待草の空間に足を踏み入れた時の感動、とても私の語彙力では書き表すことができません。

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昔大好きだった窓側のお席に座って、カウンターの中にいるアツ子さん見たらもう泣いてしまいました。

アツ子さんの原画を見たのも、そしてアツ子さんと初めて会ったのも宵待草でした。

アツ子さんがいて、キミコさんがいて、紅茶の香りが漂って。
あの頃の気持ちが沸き上がって胸いっぱいに。

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キミコさんの原画も沢山飾られていて。
どことなく悲しいような瞳をした、華奢な少女と花や動物、キミコさんの絵の世界も本当に大好き。

描かれるモチーフはファンタジックだけれど過剰な甘さはなく、子供たちは笑顔ではないけれど諦念を纏うわけでもなく、孤独であってもそこに絶望はない、静かな静かなキミコさんの世界。


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この窓際の席から、宵待つ緑たちを眺めるのが大好きでした。
静かに時を刻む森のような空間。

アツ子さんのケーキと紅茶を飲んだらまた涙…多感な少女に戻ってしまったみたい笑
ケーキはもちろんだけれど、アツ子さんの淹れる紅茶はいつもどこでもまろやかで優しいお味。

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懐かしいカモミールミルクもいただきました。
すみれのカップが嬉しい。
ほのかな甘みが、センチメンタルな心に染み渡っていきます。

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キミコさんのポストカードをいくつかお迎え。
我が家には沢山キミコさんのカードコレクションがあるのですが、本当に大切でなかなか使えずコレクションが増えるばかり。

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在りし日の宵待草を写したカードと、娘へのお土産にチューリップのアイシングクッキーも。

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ポストカードをお迎えしたら、キミコさんがサインを書いて下さいました。
昔むかし、何度目かの宵待草のときにポストカードをお迎えした際、キミコさんが優しく「これね、私が描いているのですよ。気に入って下さってありがとう」と仰った日のことが蘇ります。


なんだか半分夢見るように、懐かしい場所でのひとときを過ごさせていただきました。
本当に、あの宵待草に再び訪れる日が来るなんて…。

今日は少女時代の追憶に浸りたくて一人で訪れましたが、次は娘を連れてまた行こうと思います。
今月いっぱいの幻の夢、この1ヶ月のこともきっと沢山の人の大切な記憶の欠片となることでしょう。





吉田キミコ→HP
金田アツ子→twitter



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