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== 読書 ==

永遠のアリス。


森茉莉 私の中のアリスの世界 (人生のエッセイ)森茉莉 私の中のアリスの世界 (人生のエッセイ)
(2010/03/25)
森 茉莉

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《エロティシズムと魔と薔薇》というタイトルのエッセイで始まる、森茉莉のエッセイ集。
このタイトルほど、森茉莉の美の世界を表している言葉ってないんじゃないでしょうか。
父・鴎外との蜜の日々の中で培われた煙るような、それでいて強く匂い立つエロティシズムと、欧羅巴的な魔、美しいけれどどこか退廃的な雰囲気のある薔薇…森茉莉の描く世界はそんなものたちで構成されている気がします。
森茉莉の美意識に感化されて部屋に美しい色の瓶を飾ったり、独逸サラドをこしらえてみたりする森茉莉ごっこを今でもたまにします。
森茉莉は私のお守りのような存在。
忙しい日々に疲れて心が渇いてしまったら森茉莉の美の洪水である文章を浴びるとたちまち心に潤いが戻るのです。そんな女の子は私だけではないはず。

このエッセイは森茉莉お得意の《私の好きな世界》について、交友のあった作家たちについて、父や息子についてのエッセイ等がまとめられています。

最初の菫の花と薔薇の花の砂糖菓子やチョコレイトと洋酒と煙草についての描写にはやっぱりうっとり。
洋酒はなかなか飲めない私だけど、綺麗な硝子のリキュウルグラスとヴェルモットを買いに走りたくなってしまう。

父・鴎外との思い出を描いた《独逸の本屋》というエッセイもとても良くて、切ない美しさに涙が出そうに。
父の死について直接的に書いたものより、森茉莉の体験を通した回想的なものの方が好き。大好きなパッパ、私にはそんな思い出がないはずなのに自分が森茉莉になったかのように切なくなる。

他にもホームズについて語ったものや、言葉について書いてあるもの等、全編を通してうっとりする美の世界。
ああ、やっぱり森茉莉大好き。

一つ、わがままを言うならやっぱり森茉莉は旧かなで読みたい。
華美な美しさが引き立つもの。




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